ボリビア・アマゾンのジャングルへ

「エコ・ツーリズム」という言葉があります。これは観光客を自然の中に招き入れ、その収入で環境保全を図ろうというものです。そしてこの手法は、途上国でともすれば生活のために自然環境を破壊してしまいがちな、現地の人たちに、収入の道を開き、同時に住民自らが環境を保全するためのインセンティブが生じるという、一石二鳥のアイデアとして注目されています。

世界の各地で環境保全と地域開発を両立させるためのアイデアとしては昨今エコ・ツーリズムをよく耳にするのですが、実際にうまく機能しているケースはあまり聞いたことがありませんでした。ところがここボリビアに(少なくとも今のところは)うまく行っている(ように見える)ケースがありました。

チャララン・ロッジへの入り口それはラ・パス県北部のアマゾン地域にあるマディディ国立公園にあります。この国立公園は僕も教えてもらうまで気がつかなかったのですが、昨年3月号の National Geographic の表紙にもなっているところで、非常に貴重な自然が残されているところです。それと同時にここはタカナという民族の人たちが昔から暮らす土地でもあったのですが、ここにあるサン・ホセ・デ・ウチュピアモナスというコミュニティー(現地の人はこう呼んでいますが集落のことかと思います)が、チャララン・ロッジという名前のツアー会社を経営し、国立公園内のツアーを行っています。情報は以下のHPにあります。 http://www.ecotour.org/destin/places/chalalan.htm

僕がここを訪ねたのは、イースターの連休のことです。多くのキリスト教国同様、ボリビアでもイースターは連休になります。マディディへ行くには、まずベニ川というアマゾン川の支流沿いにあるルレナバケという町まで飛行機で飛び、そこから船で川をさかのぼり、さらに支流のトゥイチ川をさかのぼります。川の流れに逆らいますから6時間近くかかる行程です。川の両岸は最初は焼畑をしている入植地なども点在していますが、次第に原生林に変わり、時折カピバラ(世界最大のネズミの類)や数多くの鳥たちが姿を見せてくれます。

着いたところは何もない川岸なのですが、そこから今度は30分ジャングルの中を歩きます。ガイドはアレハンドロさんという、地元出身の若い男性ですが、訓練を受けていてスペイン語や英語を話すこともできます。ジャングルの中を鳥の声に耳をすませたり、面白い植物の解説を聞きながら進むと、チャララン湖という小さな湖のほとりに出ます。チャララン・ロッジはこの湖のほとりにあるのです。

ここは Conservation International (http://www.conservation.org/)という大手の環境NGOからノウハウの提供を受けたり、ガイドの訓練を受け、施設などは Interamerican Development Bank からの(多分)融資を受けて作ったようです。

施設と言っても、木造の食堂やバンガロー、船着場や数隻のボートなどがあるだけで、客の収容人数は24人、ガイドの数も今のところ5人だけと小さな規模です。Start small ということよりも、あまり大きくして自然への負荷を高めることを恐れてのことのようです。ロッジの燃料も薪やソーラーパワーでまかなっているようです。従業員はガイドの他に調理や掃除をする人などがいますが、すべて地元の人たちが雇用されています。雇用と言ってもある意味、彼らもオーナーの一部なのかもしれませんが。

ここ主催のツアーに入ると、料金の内一定の率が、オーナーであるコミュニティーの開発事業(学校建設とか)に使われる仕組みだそうです。「利益が出たら還元」ではなくて、一定率はコミュニティーに還元して、残りで経営をやりくりする、という方針のようです。

ここの自然はそれはそれはすばらしいものでした。働いているスタッフの人たちもとても親切、かつ勉強熱心で気持ちよくすごすことができました。ワニやピラニアのいる湖で泳いだりもできますし、小さなサルの群れが木々を揺らして移動するさまは感動的でした。運がよければ夢を食うというバクやジャガーに会うこともできます。全身をダニに食われて大変な目にあいましたが、これもジャングルならではの余興かもしれません。時間があれば、実際に地元の村を訪ねることもできます。ちょっと遠いところではありますが、皆さんも一度行ってみませんか?


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